高い城の男 The man in the high castle のレビュー

アマゾンプライム・ドラマ(?)の高い城の男をみた。アマゾンではエピソード3まであるけどほんとは全部で6つくらいあるらしい。

 

この映画の世界では枢軸国が連合国に勝利し日独がアメリカを分割統治している。ちなみにソ連はドイツに負けてる。

西海岸を日本が太平洋合衆国として傀儡国家に、東海岸からアメリカ中部にかけてアメリカ帝国としてナチが傀儡化。残りが中立地域。

日本はドイツに対して技術力の点で遅れていて、戦争になれば間違いなく負ける状況で、一方ドイツはヒトラーは生きてるものの、高齢によってゲッベルス、ハイドリヒ(史実だと42年に死亡)などが後継者争いをしている。

 

(映画の中では)異なる世界線である連合国が勝った世界を写したフィルムをヒトラーはご執心であり、アメリライヒのジョンスミス大将は腹心ジョーを使って探し出す。

フィルムを手に入れた主人公ジュリアナの妹とルーディは、ジュリアナにフィルムを「これは希望だ」といって渡し憲兵隊に殺される。

トルーディの真意、目的を突き止めるため、フィルムの製作者と言われる「高い城の男」にジュリアナは会いに行こうとする。

その途中でジョーがジュリアナへの恋と任務のせめぎ合いになったり、ジュリアナの恋人フランクが憲兵隊に捕まって家族が殺され日本に恨みを持ったり……

 

多くの登場人物の行動が複雑に絡まっていくのが面白い。あと、日本化したサンフランシスコは一見の価値あり。

アマゾンのレビューだとあまり評価は高くない。みんなアメリカが描く日本・ナチスにクオリティを求めすぎな気がする。敗戦国で遊んでるだけだというレビューもあった。この映画はむしろ日本に肩入れしてるんじゃないかってくらい日本に組み込まれたアメリカの描写が丁寧だ。

 

ただ、映像自体は綺麗なんだけどひとつきになるのが、ジュリアナの行動原理。映画ではきちんと説明されていない。そのため、没入しにくい。ジュリアナ以外の登場人物の視点に変わることが頻繁にあるのもあって。

 

歴史改変SFを初めてみた自分からするとすごく面白い。実在のナチス高官のクオリティも高い。白髪ヒトラーマジそっくりだった。

しかし、アメリカで使える日系、日本人俳優は少ないな……俳優調べたら半分くらいは日本にルーツがない人だった。渡辺謙さんみたいに向こうでも活躍する人が増えるといいね。